保 健体育分野の概要・特色
1)本学保健体育分野の学びの方向性
「大学で『保健体育』を専攻する」ということは,単に運動・スポーツを行う(実技)ことによって、各種目の「実技力を高める」
だけではありません。むし
ろ、重要なのは、保健体育や運動・スポーツについての「理論を学習したり探求したりする」こと、さらに,子どもたちの健康の実態
や対策に関する知見を深め ることによって,体育や保健体育(保健の授業を含む)に関する「指導力」を高めることです。
これを踏まえて、本分野では以下のような教員養成を目指しています。
○ 体育をピーク(専門)とした小学校教員の養成
体育は、小学生が好きな教科の一つです。この子どもが大好きな体育(保健を含む)を中心としながら、素晴らしい学級づくりができ
る先生になってほしいと考えています。
○ 中学校並びに高等学校の保健体育科教員
中学校や高等学校を志望する理由として、「運動部活動を指導したい」という思いや願いがよく聞かれます。運動部活動の良き指導者
になることはもちろんですが、その前に、保健体育の授業で勝負できる教員になってほしいと考えています。
2)具体的な授業の中身
例えば、以下のような疑問を解決するような「講義」が開講されています。
「体育・スポーツ文化論」… 体育やスポーツは人間にとってどんな意味があるの?
「体育心理学」 … 体育やスポーツと性格形成はどうかかわるの?
「運動生理学」 … 競技能力を高めるにはどんなトレーニングをすればいいの?
「バイオメカニクス」 … どんな投げ方(蹴り方,打ち方)が合理的,効果的なの?
「学校保健」 … 子どもの生きる力(ライフスキル)を高めるためには?
「保健体育科教育法」 … よい体育の授業をつくるために何に気をつければいいの?
また、「実技」科目として、陸上競技、器械運動、水泳、野外活動、球技(ゴール型、ベースボール
型、ネット型)、ダン
ス、武道(柔道)が設定され、これらの「実技」と上記「講義」とを関連づけながら、保健体育に必要な指導力を身につけていきま
す。特に、野外活動(キャン
プやスキー)の「宿泊を伴う」実習は、技能や知識だけでなく、学年さらには学年を超えたつながりづくりにも大きな役割を果たして
います。
さらに、課外活動(クラブ)にも積極的に参加することで、より深い理解に至ることができます。
卒 業論文(過去3年間のうちの代表例)
本学では3年次よりゼミ(研究室への所属)がスタートし、2年間にわたって卒業論文を作成します。
下記は論文題目の一例ですが、大学では保健体育に関してこんな勉強ができる!というイメージを膨らませてもらえたらと思います。
ホーム&アウェイ概念の成立とホーム(開催地)の有利性の確率の究明
柔道における安全指導の在り方について −柔道事故の実態と指導書との関係に着目して−
運動部活動考Ⅰ-運動部活動で身につけるべき力とその具体的取り組みの指針-
サッカーの1対1ディフェンスにおける一考察
マット運動における前方倒立回転とびの技術レベルを決定する動作の同定
サンダル着用によるスプリントトレーニングがパフォーマンス、ならびに疾走動作に及ぼす影響
児童の防犯に関する知識,意識,判断等とその関連要因に関する研究−地域性,学年,性を中心に
少年少女誌にみられる飲酒,喫煙シーンに関する量的分析
小学校での薬物乱用防止教育実施における指導の特性
身体接触を伴う運動の学習によって体性感覚・攻撃性は変化するのか−4年生児童を対象にして−
小学校体育科における児童の社会性の育成について −戦後から現在までの変遷−
担当教員紹介(氏名,担当授業科目,その他)
分野主任。男・女ハンドボール部の顧問。大きい方の「メガネの先生」。
○永木耕介(体育・スポーツ史、人類学)
「体育・スポーツ文化論」「運動方法学(武道)」など。
現在、附属中学校の校長でもあります。柔道部(休眠中ですが)の顧問。
○鬼頭英明(健康教育)
「学校保健」「初等体育Ⅰ・Ⅱ」など。
軟式野球顧問。外見も内面も気さくな先生。
○西岡伸紀(健康教育)
「学校保健」「初等体育Ⅰ・Ⅱ」など。
青少年の危険行動を研究していますが,一応安全な人物だそうです(本人談)。
○西口直希(精神医学)
「学校保健」、保健管理センター長です。
本学に来て2年目ですが、落ち着いたトーンで学生と会話します。
○上原禎弘(体育科教育)
「保健体育科教育法」「運動方法学(バレーボール)」「初等体育科教育法」など。
小学校教員を約20年された現場実践豊富な先生。
バドミントン部、ドラゴンボート部の顧問
○森田啓之(体育・スポーツ原論)
「体育・スポーツ文化論」「運動方法学(ソフトボール)」「初等体育Ⅰ・Ⅱ」など。
本学学部卒業生(1期生)。男女ソフトボール部、卓球部などの顧問。
ボランティア関係科目も担当。小さい方の「メガネ」の先生。
○小田俊明(バイオメカニクス)
「バイオメカニクス」「運動方法学(陸上競技)」「体育Ⅰ・Ⅱ」など。
本学学部卒業生(13期生)。陸上部顧問。現役生の兄貴的存在。
○島本好平(スポーツ心理学)
「体育心理学」「運動方法学(器械運動)」「体育Ⅰ・Ⅱ」など。
本学2年目の一番若いフレッシュな先生。ラグビー部顧問。
○小坂美保(体育科教育)
「初等体育科教育法」「運動方法学Ⅲ(バスケットボール)」を担当。
本学に来て2ヶ月。毎日、大きな荷物を抱えてパタパタ動き回っています。
遊びやレクリエーションを授業に取り入れながら、学生の心と体をほぐしています。
○筒井茂喜(体育科教育)
「運動方法学Ⅰ(陸上運動)」を担当
この4月、本学に着任しました。学生時代はハンドボール部に所属していました。
本分野の教員は、授業はもちろんですが、クラス担任あるいはクラブ顧問として、学生の教育に積極的に関わっています!
受験生へのメッセージ-保健体育とい う領域は,結構面白い!!
「スポーツは社会を映す鏡である(社会の縮図である)」と言われたりします。運動やスポーツは単に体を動かすだけなく、人間のあ り方・世界のあり方を考えるうえで、興味深い対象です。
表現を変えるならば、保健体育分野では、体育やスポーツや健康に関わって、歴史も、哲学も、心理学も、社会学も、生化学、物理 学、医学も必要とされる(できる)と言ってよいでしょう。この点において、保健体育は受け皿が広い領域なのです。
わが国の明日の保健体育やスポーツの基盤を一緒にわれわれと作ってみませんか。