1・氏  名

      後藤 幸弘(ごとう ゆきひろ)

2.研究領域

      保健体育科教育・バイオメカニクス

3.研究内容・対象

 保健体育科における学習活動の中心は「身体運動文化」であり、授業を成立させ、学習効果を高めるためには、素材としての文化財の要素・構造・機能を明らかにし、目標や学習者の条件に合わせて教材化し、教授・学習過程を構成する必要がある。

 このような観点に立って、次の6つの内容について研究し、よい授業の構築を目指している。

 (1)運動の技術構造の解明  (2)学習者の発達段階(運動の習得・習熟過程)の解明

 (3)適時期の解明  (4)教材開発  (5)学習指導法(過程)の開発  (6)健康・体力

 づくり(運動処方)

4.研究論文

(1)運動の技術ポイント(構造)の解明

「走の筋電図的研究」,体育学研究,19-3,1974.

「ハードル走(110m高障害走)のキネシオロジー的考察」,身体運動の科学(II),1976.

「走の筋電図的研究−各種走速度における筋電図−」,大阪市立大学保健体育学研究紀要,11,1976.

「ピッチャーの投げの筋電図的分析」,体育の科学,29-8,1979.

「競歩の筋電図的研究」,体育学研究,28-1,1983.

「筋電図による走の分析−歩幅・歩数の変化を中心として−」,身体運動の科学(IV),1983.

「バレーボールスパイクの筋電図による動作解析」,身体運動の科学(IV),1983.

「サッカー技術の指導に関する基礎的研究(I)−スイングスピードとボールスピードを指標としたインステップキックの筋電図的分析−」,スポーツ教育学研究,7-2,1987.

「ウインドミル投法の筋電図的分析−ボール速度の変化と競技レベルの相違を中心として−」,体育学研究,36-2,1991.

「走り高跳びの筋電図的研究−背面跳びとはさみ跳びの比較を中心として−」,第11回日本バイオメカニクス学会大会論集,1992.

(2)学習者の発達段階(運動の習得・習熟過程)の解明

「インステップ・キックにおけるボール速度と正確性の発達について」,大阪市立大学保健体育学研究紀要,10,1975.

Electromyographic Study  of the bifunctional Leg Muscles during the Learning Process in Infant Walking」, Biomechanics VIII(A), 1983.

「幼小児における走運動の習熟過程の筋電図的研究」,身体運動の科学(III),1983.

「立位から歩行への動作の移り変わり」,体育の科学,34-12,1984.

「幼児・児童期における「前転」の運動Patternの加齢的変遷」,日本教科教育学会誌,9-3,1984.

「ハンドスプリング゙の習得・習熟過程の分析的研究」,第7回日本バイオメカニクス学会大会論集,1984.

「幼少児のキック動作の発達過程についての筋電図的研究」,兵庫教育大学研究紀要,7,1986.

「器械運動の学習指導に関する基礎的研究−腕立て開脚跳び越し(跳箱運動)の習得過程の分析−」,日本教科教育学会誌,11-1,1986.

(3)教育課程の開発(学習の適時期の解明から)

「短距離走におけるスタート技術学習の適時期について」,学校体育,42-8,1989.

 「投運動学習の適時期に関する研究−小・中学生のオーバーハンドスローの練習効果から−」,スポーツ教育学研究,9-1,1989.

「竹馬乗り学習の適時期に関する研究−習得・習熟過程の筋電図的分析ならびに練習による習得率の年齢差から−」,スポーツ教育学研究,11-1,1991.

「陸上運動としてのリレー学習の適時期について−中・高学年児童を対象として−」,日本教科教育学会誌,17-1,1994.

「児童期における走り高跳び(はさみ跳び)学習の適時期について」,スポーツ教育学研究,15-1,1995.

「小学4年生から3年生の学習成果の学年差からみたバレーボール学習開始の適時期について」,大阪体育学研究,40,2002.

「小学6年生と中学1年生から学習した生徒の縦断的成果の比較からみたバレーボール学習開始の適時期」,大阪体育学研究,41,2003.

(4)教材の開発

「教材の構造化の観点の相違が児童の態度と技能に及ぼす影響について−6年生バスケットボールを例にして−」,日本教科教育学会誌,13-2,1989.

「背面跳び(走り高跳び)学習の小学校段階への導入の是非について−はさみ跳びによる学習成果との比較から−」,スポーツ教育学研究,16-1,1996.

「ゲーム領域における教材(学習課題)配列に関する事例的検討−攻防分離型から攻防相乱型への移行・発展の有効性−」,第2回つくば国際スポーツ教育研究,1996.

「バスケットボールの特性に触れさせる児童用課題ゲーム教材の開発」,日本スポーツ教育学会第20回記念国際大会論集,2001.

「範例学習に依拠した中学校体育科における選択制授業モデルの提案−攻防相乱型シュートゲームを対象として−」,兵庫教育大学紀要,22,2002.

(5)学習指導法の開発

「中学校短距離走教材の学習指導法に関する一考察(I),(II),(III)」,日本教科教育学会誌,6-3・4,7-1,1981,1982.

「器械運動の学習指導に関する基礎的研究−腕立て開脚跳び越し(跳び箱運動)の習得過程の分析−」,日本教科教育学会誌,11-1,1986.

「中学校障害走教材におけるハードルの高さとインターバルの設定に関する基礎的研究−走タイム,3歩維持率,体格,体力,運動能力の関係から−」,スポーツ教育学研究,7-1,1987.

「柔道における「受け身」指導法の開発に関する基礎的研究−「受け身動作」の筋電図的分析から−」,スポーツ教育学研究,10-1,1990.

「バレーボール教材の学習指導に関する研究−中学生女子初心者を対象とした守備中心と攻撃中心の学習過程の比較−」,日本教科教育学会誌,19-1,1996.

「小学校体育科における学習成果(態度得点)に及ぼす教師行動の影響」,スポーツ教育学研究,17-1,1997.

「体育科としての総合学習プログラムの提案−身体運動文化の「遊び」「ボール(用具)」「運動(身体操作)」「からだ」の内容的側面の検討から−」,日本スポーツ教育学会第20回記念国際大会論集,2001.

「総合学習のプログラム作成に関する予備的考察−教育的意義,教育内容及び方法の検討−」,日本教科教育学会誌,24-4,2003.

「走り幅跳びの学習指導に関する研究−階段を用いた踏切学習の有効性について−」,実技教育研究,16,2002.

(6)健康・体力づくり(運動処方)

「中高年者トレーニングの生体に及ぼす影響−呼吸循環機能と血液成分について−」,大阪市立大学保健体育学研究紀要,10,1975.

「走運動トレーニングの中高年肥満者に及ぼす影響」,大阪市立大学保健体育学研究紀要,11,1976.

「体力作りを目指す中高年者の健康の実態とMedical check について」,大阪市立大学保健体育学研究紀要,12,1977.

「中高年者における運動中の酸素摂取量と心拍数及び血圧の関係(予報)」,大阪市立大学保健体育学研究紀要,13,1978.

「跳,走,蹴時の自家筋力障害−裂離骨折を中心に動作筋電図学的考−」,臨床スポーツ医学,1989.

「筋の働きからみた運動としての歩行−乳幼児から高齢者までの歩行とニューエクササイズウォキング−」,臨床スポーツ医学,10-7,1993.

「大腿筋群の筋力と持久力に対する等速性トレーニング効果の年齢差について」,スポーツ教育学研究,13-2,1993.

「上腕筋群の等速性筋力の年齢的推移とトレーニングの適時性に関する研究−最大筋力とその持続能力について−」,兵庫教育大学研究紀要,13,1993.

「「体ほぐしの運動」に関する基礎的研究−幼小児の筋活動量からみたウォーキングとジョギングの境界速度,ならびに至適速度−」,体育科学,30,2001.

5.著書

「身体運動学概論−歩く−」,大修館書店,1976.

「体育学実験・演習概説−筋電図の記録法−」,大修館書店(体育科教育研究会),1979.

Primate Morphophysiology,Locomotor Analyses and Human Bipedalism−Human Infant Pre-Independent and Independent Walking−」,Univ. of Tokyo Press,1985.

「小学校教育のための体育概論−バイオメカニクスからみた身体活動−」,杏林書院,1989.

「学校体育授業辞典−生理学的視点から見た授業研究−」,宇土正彦監修,大修館書店,1995. 

6.現在までに指導した修論・卒論のテーマ(例)

「身体運動文化を中核とした総合学習カリキュラム試案の作成」

「クラウチングスタートの適時期に関する研究」

「バレーボールのカリキュラム編成に関する研究−バレーボール学習開始の適時期の検討から−」

「バレーボールの指導法に関する基礎的研究−オーバーハンドパスについて−」

「青少年期における等速性(Isokinetic)筋出力の年齢的推移とそのトレーニングの至適年齢に関する研究」

「小学校体育科における授業分析に関する研究−態度得点を高める要因について−」

「中学校保健体育科の授業分析に関する研究−バスケットボールの技能と態度得点の変化の関係から−」

「体育に対する主体的な態度の育成に関する研究−サッカーの授業における技能の伸びと態度得点の関係−」

「戦術学習のサッカーと授業の楽しさに及ぼす影響−高学年児童を対象とした課題ゲームによる学習を通して−」

「ラインサッカーに替わる教材の開発−ゲーム領域の過渡的相乱型ゲームの視点から−」

「サポートの動きを学習するサッカー課題ゲームの開発とその有効性について−上手にゲームを楽しめる子の育成を目指して−」

「サッカーの指導法開発における基礎的研究−インステップキックの技術評価の確立から−」

「サッカーにおけるリフティング技術の指導法の開発」

「バスケットボールをゲームを通して自ら学ぶための教材開発−高学年児童を対象とした3つの課題ゲームの授業の比較から−」

「バスケットボールの特性に触れる「課題ゲームを中心とする学習過程」の検討」

「バスケットボールをゲームを通して自ら学ぶための教材開発」

「バスケットボールにおけるリバウンド技術の指導法の開発」         

「ボールゲームにおける児童のうごきを高める工夫について」

「ドッジボールのゲーム形式の発展的展開による「うごくからだ」の育成」

「走り幅跳びの学習過程に関する研究−認知的内容と技術的要因の関係を中心として−」

「野球投手の投球の正確性に関する研究−視発情報の有無が正確性に及ぼす影響−」

「連携プレイを高める課題ゲーム教材の時間配当の検討−先行ソフトボール実践との比較を通して−」

「的確な判断に基づく行動力を体育科において育成するための基礎的研究−状況判断能力の評価法の試案と構成要因の検討−」