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Japanese Society of Safety Promotion

大会長からのご挨拶

日本セーフティプロモーション学会第6回学術大会 ご挨拶

 この度,多くの方々のご支援・ご協力を賜り,兵庫教育大学神戸サテライトにおいて,日本セーフティプロモーション学会第6回学術大会を開催させていただくこととなりました。
 大会のテーマは「事故や災害からメッセージ−何を学び,どのように活かすか−」としました。事故や災害は,忌むべきもの,避けるべきものです。しかしながら,それらは,セーフティプロモーションのための貴重なメッセージを内包しています。私たちは,そのメッセージを引出し実践に活かすべきであり,それが科学的根拠の在り方の一つと考えます。一方,現実場面では,科学的根拠が不十分な場合にも対策が求められ,そこでは,科学的根拠には至らない知恵や経験も有効に活用されており,実践のためには,それらも欠かせません。
  科学的根拠と実践は,単純に対立するものではなさそうです。本大会では,両者の相補的,相乗的な関係について考えます。
 そのために,様々なお立場やご専門の先生方から多大なご協力をいただきました。
  日本子ども家庭総合研究所所長である衞藤隆先生には,中央教育審議会スポーツ青少年分科会長,学校安全部会長のご経験から,教育現場に強い影響力をもつ中教審答申の国策等への影響についてご講演いただきます。さらに,科学警察研究所犯罪行動科学部長である原田豊先生には,特別講演において,子どもたちの防犯に関わる科学的根拠,それらを踏まえて開発された実践ツールである「聞き書きマップ」をご紹介しただき,ツールの有用性,今後の発展性等についてお話しいただきます。
  シンポジウムでは,科学的根拠と実践の関係を取り上げます。シンポジストである舞子高校環境防災科長の諏訪清二先生は,阪神淡路大震災以降の国内外の震災に対して,現地や後方での支援に取り組まれ,知見や経験を蓄積し,活用されてきました。また,科長として,次世代の養成に取り組まれています。大阪教育大学教授である藤田大輔先生は,同大学附属池田小学校校長として,学校安全の推進・充実に尽力され,安全科の設置,日本初となる同校のInternational Safe School認証を実現されました。また,大妻女子大学教授の反町先生は,国内第二となる十和田市のセーフコミュニティ認証に多大な貢献をされるとともに,地域住民の自殺予防等に取り組まれています。また,筑波大学大学院教授の市川先生は,ハード面,ソフト面ともに資源が乏しい途上国における傷害防止研究に取り組まれ,貴重な知見を国際的にも発信されています。さらに,指定討論者である獨協医科大学教授の武藤孝司先生には,健康教育や安全等の評価研究のご経験から,示唆に富むご意見をいただけるものと期待しています。
  一般口演では,セーフコミュニティ,セーフティプロモーション,危機管理,安全教育等の多彩なテーマについて,13演題が発表されます。会場施設の関係から,ご発表,質疑応答に十分な時間がとれませんが,活発なご意見交換を楽しみにしています。
  最後に,本学術大会開催にあたり,鬼頭英明事務局長,実行委員の先生方,本学大学院生の皆さんから大きなご支援を賜りました。心よりお礼を申し上げます。開催地の神戸は,震災や水害の大きな被害を受けて参りましたが,海と山が近接し,自然や食材に恵まれ,多彩な文化が融合する魅力的な街です。大会会場も神戸のウォーターフロントに位置しており,学術大会のみならず,大いにお楽しみください。

    2013年(平成25年)3月 日本セーフティプロモーション学会 第6回学術大会
                   大会長 西岡伸紀(兵庫教育大学大学院教授)  


バナースペース

日本セーフティプロモーション学会第6回学術大会

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