家庭分野について

家庭 分野で学ぶこと

家庭分野では,毎日の生活のなかで最も身近なもの,すなわ ち被服,食物,住居,家族,保育,社会保障・社会福祉,さらにはコンピューター・情報処理,家庭電器・機械などについて,その基礎から最先端の知識まで幅広く 学びます.もちろん,家庭科教育についても専門的に学びます.こうした学びは,小学校はもちろん,中学・ 高校の家庭科教員免許幼稚園教員免許保育士免許取得にも 大きく関わっています.

本学家庭分野の特徴

ご存知のように平成6年度から,高等学校では家庭科の男女共修がはじまり,最近では,家庭科の男子教員の採用も進み,ユニー クな指導で教育界に新風を吹き込んでいます.本学の家庭分野でも男子学生も勉強していますし,すでに家庭科の男子教員として 活躍している卒業生もいます.また,毎日の生活・社会環境がめまぐるしく変化していくなかで,家庭科教育のあり方も大きく変 ぼうしてきました.社会の変化,価値観の多様化にともない,家庭生活のあり方,家庭教育の重要性が高まるなか,現実の問題に 対応するための新しい学問研究が求められています.このような時代にあって,本学の家庭分野は,生活科学,環境科学,人間科 学,社会科学といった新しい学問領域を包括するものとなっています.

私たちの願 い

ここでは、私たちの生活にとっていちばん身近な食物につい て考えてみましょ う.専修・専門科目としての調理実習は,2,3年生で履修します.おいしい食べ物を作ること,味わうことは生活のなかで非常 に大切なことです.では,これ に科学のメスを入れた場合,どのようなことがわかってくるでしょうか.いろいろな食べ物は,それぞれの社会の文化と歴史のな かで作られてきました.しかし このことについて,私たちはマスコミ,くちこみのあふれる情報に振り回されていませんか?小学生の素朴な疑問にきちんと答え られるでしょうか.

このような質問に答えるための科学的な基礎知識は,食物学関連の授業で学ぶことができます.また,同じように,衣服のデザイン,被服の歴史から高分子化学を学ぶ被服学領域,快適な住環境と人間形成に関する住居学領域がありま す.これら「衣・食・住」と直接関係しているテーマから,生活材料学では,環境問題にかかわるプラスチックなどの材料につい て分析します.さらに,社会科学の立場からは,新しい家族・新しい男女の関係について考える家族関係学生活経済学の舞台で は,社会保障・社会福祉,たとえば年金、医療や介護保険と私たちの生活とのかかわりについて学びます.そして、保育学では,妊娠と出産,乳幼児の心とからだの発達,親の役割などについて学びます.このように家庭科は実に 多彩な専門科学の連携から成り立っています.これらの幅広い専門領域を包括する教科として,家庭科教育についてしっかりと考えていくことができれば,というのが教員一同の 願いです.

木蓮